« 初めての外泊 | メイン | 雷にびっくり »

2005年05月15日

漫画感想: シガテラ

シガテラ (5)

シガテラ (5)

  • 作者:古谷 実
  • 出版社:講談社
  • 好み:★★★☆☆(★2つが普通)
恐ろしい。

主人公はいじめられっ子。パシリをやらされ、殴られ、最悪の高校生活を送る。
ところが、バイクとの出会いをきっかけに、かなり都合よく可愛い彼女もでき、いじめからも開放され、幸福な青春時代を迎える。

一見順風満帆に見える主人公とヒロインだが、彼と彼女にはいつも暗い影が忍び寄っている。
それは目に見える形で彼らを脅かすこともあれば、気がつかないうちにすれすれで通り過ぎてしまうこともある。

5巻までの話では、彼らの人生が台無しになるほどの災厄は起こっていない。
しかし、常に少し間違えばどん底に落とされてもおかしくない状況にあり、そのすれすれ感がとても恐ろしい。
自分自身の平穏な日常が、かろうじて形を保っているだけの危ういものなのではないか、という思いが背筋を凍らせる。

ホラー映画で、不安をかきたてるBGMの中、登場人物の背後からカメラが迫る。そんなシーンを眺めているような感覚がある漫画です。


投稿者 sike : 2005年05月15日 23:00

コメント

コメントしてください




保存しますか?