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2006年09月26日

感想: 私は魔境に生きた

私は魔境に生きた―終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年

私は魔境に生きた―終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年

  • 作者:島田 覚夫
  • 出版社:光人社
  • 好み:★★★★★(★2つが普通)

読め!それ以上言うことはない。

というのも何なので少し説明すると、この本はタイトルからも分かる通り、終戦を知らずに十年間ジャングル生活を送ってきた人々の手記である。さぞや過酷で悲惨な十年間だっただろうと容易に想像がつくわけなのだが、それが単にそれだけではない。

逃亡生活の末、食料や物資は底を付き絶望的な状況の中、彼らは生き残りをかけた戦いは始まる。 栄養失調やマラリアと戦いながら農地を拓き、狩猟の仕方を覚え、道具を作り、交易をする。 一歩一歩着実に、または新たな発見により劇的に、彼らの生活は改善されてゆく。 さながら人類の進化の過程を辿りなおすかのようだ。

彼らの戦いを見ていると、日頃当たり前のように享受している文明生活が、いかにもろい基盤の上に成り立っているのか思い知らされると同時に、何千年にも渡って人々が受け継ぎ育ててきた人類の英知に感動を覚える。

そう、この手記は彼らの戦いの記録であり、人類の辿ってきた道の再確認なのだ。これを読まずして何を読む!

投稿者 sike : 2006年09月26日 03:17

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